ラベル エスプリ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル エスプリ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016/02/26

言い訳の美学

フランス人は謝らないと何度か日本で耳にしていたけれど、まったく謝らないということはない。個人的には、日本人が想像しているよりも謝ると思う。ただし、やたらめったら謝りはしないので、期待している時に謝ってくれない、はおおいにある。
そして...謝るにしても謝らないにしても必ずついてくるのが、「言い訳」。
(どちらかというと、”謝るかわりに言い訳”が多いw)

フランスのエスプリとはと聞かれるとすれば、謝らないことではなく、その言い訳にあるのでは、なんて思う。なぜかって...それはほとんど筋が通っていないから(笑)
わたしは少しずつ言い訳の達人になるべく、日々学んでいる。


例えば、
遅刻をした時に、”J'ai pas vu l'heure !”(ジェ パ ヴュ ルーr)「時間見てなかった!」
思わず「え?だから?」とツッコミたくなる。

人のものを落としたり壊したりした時、”Pourquoi il est là ?”(プッコワ イレラ?)「なんでこんなことろに置いてあるんだ!」と、それはもはや言い訳ではなく開き直り。


そして、日常茶飯事よく耳にするフレーズに、
「J'ai pas fait exprès.(ジェ パ フェ エクスプレ)「わざとやったんじゃない」

おそらくフランス人の中では「わざと」というのものが最大の悪なのだろう、それはもうみんなよく言っている。
「わざとやったんじゃない」
↓だから
「仕方がない」
↓イコール
「自分は悪くない」
という流れ。

これはイメージ画像ですw

遅刻したり、または何かしでかしておいて、
”C'est pas grave !”(セ パ グラーヴ)「大したことじゃないよ」

ということも少なくない。こっちの台詞ですけど!と言いたくなるけれど、そうやって「別にたいしたことじゃないよ」といつのまにかこちらがなだめられたりするのだ(笑)


でもそういえば...思ってみれば...
「わざとじゃない」も、「大したことじゃない」も、なんだかんだわたしも結構使ってる...w



今日はここまで。
A bientôt!


2016/02/03

思わず口にしてしまう!

フランス語には下品!使ってはいけない!と言われる単語や言い回しがそれはもう、山ほどある。日本では考えられないくらい下品な言い回しもそれはもうたくさんあるw
そして、使ってはいけないと全員が知っていながら日常茶飯事フランス人が口にする単語ダントツ1位に、”Merde!”(メルド)がある。
”La merde”「糞」という意味で、日本と同じ「くそっ!」または「しまった!」という時に思わず使ってしまう単語。
子供がポロっと言ってしまうと、「今、何を言った!?」と、激しく怒られる。 (けれども大人は使いまくり。)


さて、フランスの街並みは素敵なのだけど、どうしてもどうしても我慢ができないくらい嫌なことがひとつある。
それは...路上のいたるところに仕掛けられた地雷。
もちろん地雷ではない。
路上のいたるところに放置された犬の糞、のこと。


フランスは犬を飼っている人が本当に多く、街中いたるところで散歩させている人を目にする。路上や公園に限らず、ペット同伴で入れるカフェやレストランもたくさんあって犬にとってはとっても住みやすい国。そして...
そう、地雷の話。その点のマナーが悪い人が多いのだ。
法律上犬の糞を路上に放置するのは禁止されていて、見つかったら罰金も課せられるのだけれど、そんなことお構いなし、いたるところに放置されたまま。


パリの街は随分とマシになっていたのだけど、ここニースはまだまだひどい。
ニースでは人口35万人に対し犬の数が5万匹と、パリや他の都市に比べ人口に対する犬の数の割合も高めらしい。ニース市では街の至る所に犬の糞を拾うための紙袋が入った鉄製のボックスが設置されて居るのだけど...あんまり効果があるとは言えない。
大げさでもなんでもなく、ひどい時には片足で飛び越えながら道を歩かないといけないゾーンなんかも出現するw


わたしなんかは、四六時中絶え間なく、踏まないように神経をとがらせながら歩いている。飛び越えたりもする(笑)
そして先日、道ばたで前を歩いていた綺麗なお姉さんが、可哀想に、地雷を踏んだ。
もちろんとっさに口にしていたのは、”Merde!”。
これこそこの単語が大いに意味を持つ状況だな、なんて後ろから思っていたw


わたしはフランスの路上で四六時中絶えず下を気にしているw

(こんなことを記事に書いていたら、なんとタイムリーなことに、昨日Cyrilの同僚が市長宛に抗議の手紙を書いて送り、同時に新聞社にも同じものを送ったらしい!みんな同じ気持ちだったんだと少し感動した出来事w)
今日はここまで。
A bientôt!


2015/10/16

フランスのエスプリ

17世紀フランスの作家、Jean de la Fontaine(ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ)によって書かれた、神話やイソップ寓話をもとにした動物を主人公にした寓話詩「Fables」(1668)というものがある。
寓話は、短い話の中に教訓や風刺を盛りこんだ作品で、17世紀(日本でいうと江戸時代前期)の古語の詩の形で書かれている。行末はすべて韻が踏まれ、言語的な美しさが魅力の読み物。


フランスでは小学校で、みんなこの詩を習って暗記するので、大人になっても覚えている人が多く、今でもフランス人に親しまれている。
ラ・フォンテーヌの寓話の魅力は、イソップを始めとする世界の神話や寓話に、
彼独特のエレガントで超然とした味わいがあることだと思う。
イソップの話には教訓が必ずついているけれど、
ラ・フォンテーヌは教訓をもっともらしく語るのではなく、
ユーモアと風刺をきかせて詩の中に溶け込ませる。

残酷な人間社会を風刺したラ・フォンテーヌの寓話を子供のときから習うから、フランス人は懐疑的で冷たいのだという説があるそうw 懐疑的で冷たいかはおいといても、ラ・フォンテーヌの寓話に子供の時から親しむフランス人には、風刺やシニカルなユーモアがエスプリとして受け継がれているのではないかと感じる。


わたしも読んでみようと、Cyrilのお母さんから本を借りてきた。
古語の文体はわたしにはまだむずかしいのだけれど、ひとつひとつ短い詩なので、
ゆっくりと読んでいこうと思う。
第一話、”La cigale et la fourmi”「セミと蟻」
これは日本でも有名なイソップの「蟻とキリギリス」。
わたしの大好きな部分は、どこかというと、最後の蟻の台詞。
もちろん、「働かざるもの食うべからず。」なんて教訓で締められているのではない。
夏中歌い暮らして蓄えをせず、冬、お腹をすかせて食べ物を乞うセミに向かって
言い放つ蟻の言葉。これが締め。

”Vous chantiez? j'en suis fort aise :
 En bien! dansez maintenant.”
「歌っていたですと?それはまた結構なこと。
 それでは、今度は踊りなさい!」

なんとも意地悪で、そして甘く美しい台詞だと思う。
こういうフランスのエスプリが散りばめられた寓話集。


「セミと蟻」 (訳)
夏の間歌い続けたセミ、
自分が無一文であることに気づいた。
北風が吹いてきたというのに
蝿やミミズの
ひとかけらも残っていない。
セミは隣に住む蟻のところへ行って
空腹を訴えた。
季節が変わるときまで
食いつなぐために
少しの穀物を貸してほしいと頼んだ。
「動物の名誉に誓って、収穫の時期までに
元金と利子をそろえて払うから」と。
蟻は気前が良いわけではない。
それは蟻のもっとも小さな欠点だ。
「暑い間あなたは何をしてたんですか?」と
蟻はこの借り手にたずねた。
「夜も昼も歌っていました。
あなたのお気に召しますまいが・・・」
「歌ってたいたですと?それはまた結構なこと。
それでは、今度は踊りなさい!」


今日はここまで。
A bientôt!