2016/04/08

ご愛読いただいていた方へ

今日までフランスに関する記事をたくさん書いてきましたが、少しばかり考えることがあり、このブログをお休みしようと思います。
(あ!何か病気になったとか、気分がすぐれないとか、そういうことではないのでどうぞご心配なさらずに!)

わたしは文化というものを大切にしたいと考えています。フランスに住んでいるので、フランスの文化の面白さを日本にも紹介したいという思いや、反対にフランスの文化から日本の文化を見てみるという視点の面白さなどを取り上げたいという思いで、このブログを続けてきました。
どんどん深く探っていくと、表面上だけでは到底語り尽くせないものがたくさんあり、それが楽しいのと同時にいろいろな問題にもぶつかります。
フランスに関する、例えば「パリの秘密のアドレス」や「フランス語の習得」や「フランスの習慣」などに関するブログは今、本当にたくさんあります。そういうことは、たくさんある面白い素敵なブログに任せて、わたしはもう少しいろんなことを深く掘り下げてみたいなと思っています。


個人的に昔から続けているブログの方で、フランスの文化やパリの情報、フランス語の習得のコツ、美味しい菜食のレシピなど、今までに挙げてきたような記事も盛り込んで書いていこうと思っているので、もしご興味がある方は読んでみてください♪
ただし、かなり私的なブログなので、情報も偏っています(笑)

寝る、食べる、ワイン飲む
タイトルからして、変ですが、ご興味があれば、どうぞよろしくお願いいたします。

( ↓これからそこにこんなことを書いていこうかと思っています。↓ )
・”エレガント”の正体
・”下品さ”について
・パリの磁場について
・シュタイナーの考え方
・ファッションについて(実はかなりファッションが好きなのです)
・無知であることの罪
・友達の恋人(嫌な奴)を受け入れる、について
・私が最初に創ったのに!の欲求について
・なぜこんなにも現代美術が蔓延してるか
・語学習得(とくにフランス語)において特に大事だと思うこと
・ヴィーガンについての疑問
・グルテンフリーの謎
・実験に実験を重ねた美味しい菜食レシピ
etc, etc...

今までこのブログを愛読していただいていた皆さま、どうもありがとうございました。
フランスでいつかお会いできるのを夢見て...
Merci! À bientôt!

2016/03/28

Taxi?それともUBER?②

前回からの続き
快適で便利な面を紹介してきたが、ただし、いろいろと問題の側面もある。

フランスのタクシー営業には認可証が必要だ。
ただし、例外的に「観光用」であればクシーの営業とは見なされない。例えば空港と市内を結ぶシャトルバスや市内観光などは認可なしでできる。


と いうわけでこれに目を付けたのが、アメリカの企業、UBERである。観光と称して事実上タクシーとしての営業を行っている。そしてフランスのタクシーはほ とんどが自営であるがもちろんフランスは税金が高い。その分運賃がやはり高くなってしまうわけだが、UBERはアメリカの企業であり、世界各国で運営され ている。もちろんフランスで営業するのであればフランスの税金を支払う必要があるのだが、大きな海外の企業というのはフランスの小さな自営業とはそのあた りの事情は違ってくるだろう。


フランスではこのUBERやその他「LeCab」「SnapCar」「Allocab」などの配車サービスに対して昨年にタクシー業者が、大きなデモを起こしている。(抗議運動には約2800人が参加し、仏各地の30か所以上で道路が封鎖された。)
UBERはフランスの他にも、現在世界各国で、その国の法的規制も現地の規制や法律と戦っているそうだ。(UBERを取り巻く各国の状況についてはこちらをどうぞ
とはいえ、その快適さや利便性によって急速に市場を拡大しているのが現状...
(ただし、UBERのサービス「UberPOP」はフランスでも禁止されている。)



そんな中、タクシー業界もこれに太刀打ちするためか、今年2016年の3月から、シャルル・ド・ゴール空港およびオルリー空港↔パリ市内のタクシー料金に定額制が導入されることになった。
シャルル・ド・ゴール空港からパリの右岸まで:50ユーロ
シャルル・ド・ゴール空港からパリの左岸まで:55ユーロ
http://www.aeroportsdeparis.fr/passagers/acces/paris-charles-de-gaulle/taxi/paris-cdg-taxi

オルリー空港からパリの右岸まで:35ユーロ
オルリー空港からパリの左岸まで:30ユーロ
http://www.aeroportsdeparis.fr/passagers/acces/paris-orly/taxi/taxi-orly

さらに、スーツケースの手数料などの追加料金はすべて廃止され、50€または55€ぴったりでパリ市内と空港を移動できることになる。
さらに、空港に向かう高速道路にはタクシーやバス専用レーンがこの4月から導入されており、スピードアップも期待できそう!
きちんと認可を受けたパリのタクシーに乗りさえすれば、料金の心配をすることなくタクシーで移動できるというのは荷物の多い旅行者にとってとてもいいことではないだろうか。


わ たし個人的にはやはりフランスではフランスの企業がきちんと営業ができることが理想だと思うのだが、なんせ...前回の記事にも書いたが、フランスのタク シーは問題が多い。わたしだって、ぼったくられずに、快適にきちんと伝えた住所へ移動できる方を利用したいと思ってしまう。これでは外国の企業にお客を 持っていかれても無理はない。フランスのタクシー業者のサービス向上に努めてほしいなと思う。


ちなみに「UBER」、アメリカでは”ウーバー”と呼ぶそうだけど、その上司はフランス語読みで、”ユーベー”と教えてくれたので、そのままわたしたちは”ユーベー”と呼んでいるけれど、フランスではどっちなんだろうか・・・?
ついでに、「Wi-fi」はフランスでは、英語読みの”ワイファイ”ではなく、フランス語読みで”ウィフィ”と呼ぶ。
でも「iPhone」はフランスでも英語読みで、”アイフォン”とみんな呼んでいる。フランス語読みではイフォン。⇦誰も言わない。

UBERのサイト


今日はここまで。
A bientôt!


Taxi?それともUBER?①

先日、フランス国内移動やミラノ、ロンドンなど近距離国への移動にとても便利な長距離バスOUIBUSのことを書いたが、それに続けて今度はフランス内のタクシー移動について。

以 前、わたしはタクシーで散々な目にあったことがある。
大切な約束事がありタクシーを予約し、伝えた住所が車内のGPSで出てこず(家でGoogle mapを調べた時には住所は出ていた。)、運転手は別の似た住所(フランスでは通りの名前は同じでも、その名前の前にBoulouverd、Avenue、Rueとそれぞれつくと、それぞれに違う場所を指す。その時はRue ○○と伝えたのに、Avenue ○○に連れて行かれた。) と勘違いし、全然違う通りで降ろされ、まったく迷子になってしまった。
その時、わたしはまだフランスではスマートフォンを持っていなかったのだ。仕方がな いので二代目のタクシーを呼んで15分後またタクシーに乗ったはいいが、そのタクシーのGPSにも住所は出てこず(会社が同じなので当たり前ではあるけれ ど)にも違う場所に連れて行かれ、結果1時間も約束時間に遅れ、約束はキャンセルされてしまった。
他にも、観光客相手に相当な値段でぼったくるタクシーの話も よーく耳にする。


そんなことを話ていると、Cyrilの上司がこれ本当に便利だよ!!と鼻息荒く、いや、とっても熱心に教えてくれたのが、”UBER”である。

UBERとはアメリカで生まれた、スマートフォンのアプリを使った配車タクシーサービスのこと。
現在では世界54カ国、250都市以上でサービスを展開していて、実はここフランスでも少しずつ利用者が増えている。なんといっても、聞けば聞くほど、かなり便利そう!


UBER の特長は、タクシーを呼び出ししてから料金の支払いまで、全てスマートフォンのアプリ上で完結すること。スマホの地図上で乗車したい場所を指定してタクシーを呼び出し、乗車。降車時の支払いは事前にアプリに登録したクレジットカード情報を元に手軽に決済処理できる。つまり、事前に予定金額を知る事ができ、車内では金銭のやりとりが発生しないのでスムーズに降車できるというわけだ。


さて、ここからはCyrilの上司からの説明。
まずアプリを立ち上げる。自分の位置を入力すると、画面には近くを走っている数台のUBER車が表示される。その中の一台を選択すると、あっというまに車が目の前に。その車というのも、一般者なんだけど、かなりリュクスな車で、運転手さんも服装もきちんとしていて、驚くほどみんな感じがいい。行き先は事前に アプリで入力できるから、乗り込んだらすぐ出発してくれる。しかも車内はいつ利用しても綺麗だし、必ずサービスのミネラルウォーターのペットボトルが置い てあるし、車内の音楽も指定できるんだ!普通のタクシーみたいに、遠回りされてないかとか、つり銭誤魔化されてないかとか、そんなことまったく気にする必 要ないんだ。タクシーよりも価格や安いし、本当に僕のおすすめだよ!



といい、上司はUBERのアプリを開いて、熱心にCyrilに教えるあまり、誤って本当に車の呼び出しボタンを押してしまった。それからあっというまに、職場に車が迎えに来てしまい、上司は意味もない料金(6ユーロ)を払ったそう(笑)

ただ、いろいろと調べていくと、このUBERをめぐってはやはりいろいろと問題がありそうだ。
②へ続く。


2016/03/23

魔女のバニラエッセンス

わたしはよく家でお菓子を作るのだけど、特にフランスのレシピによく登場するのが”Extrait de vanille”(エクストrェ ドゥ ヴァニーユ) 。これは日本でいうバニラエッセンスのこと。

以前、よくいくオーガニック食材店で購入したのだけど、少し値段が高い。たったの50mlで約7ユーロ(900円〜1000)円近くするのだ。
家に帰って容器の裏の材料の表記を見てみたら、バニラと、エタノール。要はバニラビーンズと度数の高いお酒があれば、なんだか手作りができそう。


というわけで、早速調べて、作ってみた。
お酒はアルコール40度以上の好みの銘柄や種類でいいようだ。ウォッカ、ジン、ブランデー、ウィスキー、ラム酒、シェリー酒など。わたしはお菓子作りに使いたいので、香りがあるお酒はさけて、バニラの香りを邪魔しないウォッカを使用することに。
本当はウォッカもオーガニックのものを使いたかったのだけど、値段がかなり高くなるので、今回はバニラビーンズだけをいいものをと、マダガスカル産のオーガニックのものにすることにした。


調べてみるとバニラビーンズにも品種や質がある。
フランスのBIOのお店ではVanille Bourbone(バニーユ・ブルボン)というのをよく見かけるが、これはマダガスカル産の濃厚で典型的なバニラの風味を持つ品種だそう。
タヒチ産や
パプアニューギニア産は生産が希少だが、甘い花の香りとチョコレートのような独特の香りを楽しめる。
インドネシア産は風味が劣るので焼菓子用には適するよう。
この3国の主要生産地以外にも、バニラの発祥地であるメキシコ産(現代では希少価値のようで、相当高価なもののよう。安価に売られているものは本当のバニラではないらしい。)

他にも極少生産のハワイ産、オーストラリア産、マレーシア産、バヌアツ産、ウガンダ産、トンガ産、インド産、などがあるよう。



質の違いは一本のバニラに含まれる水分量や、鞘の中のビーンズの粒数や重量、外見のようで、水分量が多い方が質が高いとされる。ただ、バニラエッセンスを作るにはそんなに高い質のものでなくてもOK。どちらかというと含水量が少なく、粒数が多い方がいい。

というわけで、Recette(rゥセット)「レシピ」を紹介♪
といっても、かなり簡単!所要時間たったの5分!
天然のバニラエッセンスがとても簡単にできるので、とってもおすすめ♪



<Extrait de vanille>
材料:200ml のウォッカに対して、6〜8本のバニラビーンズを用意。

★下準備:保存容器は使用するアルコールで拭くか、すすいでおく。

1. バニラビーンズの鞘に、包丁で縦半分に切り目を入れる。
2. バニラビーンズの長さを、瓶に入る長さにカットする。

3. 保存容器に、バニラビーンズを入れ、アルコール(Alcohol度数:40度以上)を注ぐ。
 ※保存容器内でのVanilla Beensが 完全に浸るようにする。
4. 蓋をして、何回か振って出来上がり。
5. 遮光場所で保管。 毎日一回軽く瓶を振る。

★最短8週間で使用できる。


と同時に、最近とってもわたしのツボな、”Mes recettes de sorcière”「わたしの魔女レシピ」という料理本を見つけて、さっそく気分は魔女で夜な夜なバニラエッセンスを振っている。
最初は無色透明の液体が、1日もすると琥珀色になってきて、どんどん色が濃さを増す。毎日瓶を振りながらそれを見るのがひそやかな楽しみ。Hihihi♡



今日はここまで。
A bientôt!


2016/03/22

とても便利なOUIBUS

Cyrilの親戚がマルセイユに住んでいるので、結構ニースとマルセイユを行ったり来たりすることが多い。わたしたちもTGVという日本の新幹線みたいな高速列車を利用していたのだが、これがもういつも問題が起きる。まず時刻通りに出発することが当たり前ではない。つまり到着は遅れる。その遅れも10分程度ならまだいいが、30分、1時間と遅れることもけっこうある。指定席を取ったのにもかかわらず、何も案内がないまま30分ほど出発時間を過ぎ、そして悪天候による遅延の関係で突然その車両が切り離されることにになり、 自由席に移動させられたこともあった。

でも!!こんなものがあるよ!なんて偶然見つけたOUIBUSという格安長距離バス。実2012年から”iDBUS”という名前でSNCFが運営しているが、昨年2015年の9月からOUIBUSという名前に変更してしている。


これが驚くほど便利!
まず、ニース市内のSNCFの駅からマルセイユまでTGVを利用したとしたら、
片道約2時間半で38ユーロ。(価格は日時によって変更あり。)
でもOUIBUSなら、ニース空港からマルセイユまで同じく片道2時間半、たったの9ユーロ!
手荷物1個の持ち込みと、トランクに1個預けることができる。そして30分前には車内に乗り込むことができる。(TGVとは大違い!)
わたしはすでに4、5回利用しているが、同じSNCFの運営とは思えないほど、時間通りに着く(笑)。運転手さんもとっても感じがいい。しかも車内は綺麗だし、設備は全席にコンセントが付きWi-fiも完備されていて、この値段だと申し分がない。



予約もとくに複雑なことはない。このサイトから。
http://booking.ouibus.com/
価格は5ユーロから。
ただし、決済は現在VISA/Masterのみで、それぞれセキュリティコード(VISAはV-PASS、MasterはSecurityCode)を設定したクレジットカードでないと決済できないよう。

写真:sncf.comより
もちろんEチケット制だけど、乗車当日はとくに紙に印刷して持っていく必要はない。パスポートなどの顔写真付きの身分証明書を持っていけば、運転手がスマートホンを持っていて、座席番号を照合して乗り込む仕組み。

国内の移動はもちろん、パリからロンドンやブリュッセルなど海外へもいけるし、ニースからはミラノにだって19ユーロでいける。列車や飛行機と比較してOUIBUSを賢く利用するのがおすすめです♪

OUIBUSが運行している場所

今日はここまで。
A bientôt!



2016/03/18

フランスで面白お医者さん体験

風邪なんか日頃めったにひかないのだが、Cyrilからウィルスを見事にもらい、先日軽い風邪をひいた。その風邪自体は1日中鼻水との格闘するだけでとくに問題はなかったのだけど、その風邪で免疫力が落ちてしまっていたのだろう、風邪と同時にある面倒臭い症状にかかってしまった。わたしは生まれて初めてだったが、わりと女性がかかりやすいあの尿の病気。(ここまで言うのならあっさり病名を書けばいいのだけど、わたしも時々は乙女ちんなのでw)

風邪とかであれば日頃ホメオパシーの薬を飲んで治したりするのだけど、今回は念のためお医者さんに診てもらったほうがいいだろうと、専門のクリニックをCyrilが予約してくれた。わたしにとっては初めてのフランスお医者さん体験である。


これが風邪だったら症状をフランス語で説明するくらいは簡単なのだけど、きちんと症状を説明するのには専門用語が必要だ。それまで恥ずかしながら、普段会話で使う「おしっこ」というフランス語の単語しから知らず、「尿」という単語を知らなかった!
ちなみにフランス語では
おしっこ:pipi(ピピ)
尿:urine(f.)(ユリンヌ)

Cyrilはもちろん仕事だし、ひとりで症状を詳しく説明できるのか心配なのと、初めてのお医者さん体験で、いやだ〜、面倒臭い〜と、うだうだ言ってたのだけれど、Cyrilはとりつくしまもないので、しぶしぶ向かう。


日本と違い、フランスのお医者さんは普通にアパルトマンの一室にある。建物の門のインターフォンのところにドクターの名前が小さく書かれたあるだけ。
14時に予約して、5分前くらいに着いたのだけど。部屋のベルを鳴らしても一向に返事がない。中で人の声が聞こえているので、おそらく14時までは休憩。その間はもちろんフランスだから無視。同じように14時に予約していたムッシュが来て、ベルを何度もならすが、やっぱり無視。ようやく14:10分くらいに受付の女性が扉を開ける。

綺麗な色のスカーフに黒ですっきり全身コーディネートした綺麗なマダムが受付。予約の名前を伝え、健康保険証を見せる。日本と違うのは誰も白衣は着ていないこと。それから看護婦さんがいないこと。あくまでも受付の女性は予約を取り次ぐ秘書の役割。病気に関することはかなりプライベートなことなのでフランスでは必ずドクターのみと個室で話す。日本のようにみんなの前で看護婦さんが症状を聞いてくるとかそういうのは一切ない。すべてはドクターがとり行う。

今回予約したのは立派なクリニックだったので、中に入ってびっくり!想像していた以上にとってもリュクス!!

スタイリッシュすぎる待合室!

待合室で待っていると、呼びに来たのは、40代くらいのシュッとした(これは関西弁で、かっこいい、スマートな、という意味ですw)、深い栗色のボウズヘアで、長身のデニム姿のドクター。「え?これが先生?」と思わず思ってしまった。イメージでいうと、SATCのキャリーの相手役として出てきそうな(でも1エピソード限りの)、でもアメリカ人ではなくフランス人って感じのムッシュ。(余計にわかりにくい?w)
両手をそれぞれデニムの前ポケットに突っ込みながら満面の笑顔で、さあどうぞと言っている。

通されたドクターの一室も、だだっ広い部屋に、オブジェのように診察台が配置してある。わたしの症状をマッキントッシュに打ち込んでいく。そして次に案内された尿を採取する部屋も、どこかのデザイナーズホテルのバスルームかと思うほどのスタイリッシュな部屋。尿を採取するのもそれ専用の便器があり、そこで用をたすだけで自動で採取される仕組み。自分で容器に入れて...なんてしなくてもいい。まだ完全に服を着れていない状態であのシュッとしたドクターが断りもなく、「終わりましたか?」なんて入ってくる。これにはかなりとまどったけど、おそらく専門すぎて慣れているのだろう、まったく意にかえす様子がない。

採取された尿は数秒後には数値が印刷されている。ドクターはそれを見ながら「大きな問題はないです。1、2日で治るでしょう。ただし、念のため尿の細菌を調べる必要があるのでこのあと近くのラボラトワー(Laboratoire:実験室、研究所、試験所の意味)で無料の尿検査をしてください。尿検査の結果はここに2、3日後にきます。もし何か問題があればご連絡します。それからこれが処方箋。薬局へ持っていってください。何かあったらいつでも電話してきてくださいね。」
と、終始爽やかなドクターの笑顔で診察が終わる。

今回わたしが言ったのは街医者ではなく、クリニックなのでちょっと特殊だけれど、なんだか面白い体験だった。

というわけで完全に復活しました♪



今日はここまで。
A bientôt!

2016/03/15

フランス語、微妙なニュアンスの違い

今回は、フランス語の表現のちょっとしたニュアンスの違いを紹介♪

わたしはお店で買い物をして、品物の代金を尋ねる時、
とくに何も考えることなく、
”Ça c'est combien?”(サ・セ コンビアン?)
と店員さんに伝えていた。

でもこの間Cyrilから注意を受けた。
「間違いじゃないんだけどね。
 ①”C'est combien?”(セ・コンビアン?)
もしくは、②”Ça fait combien?”(サ・フェ・コンビアン?) はいいけど、
 ①に”Ça”(サ)をつけて、”Ça c'est combien?”は止めたほうがいいよ。
なんかね、ちょっと下品な言い方になってしまうから。」


!!!!!!!!
下品って、何が?!?!?!
これには衝撃をうけた。
”ça”をつけ加えてしまっただけで変わるなんて!!
そのちょっとしたニュアンス!!全然わからない!!
”ça”(サ)というのは、”ce la”(スラ)の口語表現で、
「それ」という指示代名詞。
(語彙詳細についてはこちらのサイトを参考にしてみてください)


フランス生まれではないのでどうにもこうにもこの微妙なニュアンスがまだよくわからないのだけど、おそらく、
 ”C'est combien?”「それは(これは)いくらですか?」に、
”Ça”をつけて”Ça c'est combien?”と言ってしまうと、
おそらく、日本語でいうところの
「いくら?」もしくは「それいくら?」って感じのニュアンスになってしまうのだろうと認識し直した。

というわけで、これからもそういう小さなニュアンスを身をもって発見した時はまた紹介しますw


今日はここまで。
A bientôt!


2016/03/09

フランスのモデルの法律

ここ南仏にはな〜んにも関係ないことだけれど、パリでは3月1日〜3月9日までファッションウィークだ。

ファッションの世界から離れて約8年。あの頃を思うと、心身ともにこんな平穏な日々がおくれるなんて想像もできなかったので、離れられてあ〜よかったと思う反面、どうしてもやっぱりチラチラパリコレの様子なんかチェックしてしまうw


毎年新しいモデルたちが次々と出て注目を集めているけれど、実はここフランスでは昨年2015年の12月17日、痩せすぎのファッションモデルの活動を禁止し、そのようなモデルを雇用した業者に最大7万5000ユーロ(約980万円)の罰金や最大6カ月の禁固刑を科すフランス医療制度法案が可決されている。
2017年1月までに施行される予定。


また、拒食症の容認も違法となり、インターネット上で痩せすぎモデルを美化し、拒食症を助長するサイトへの罰則や、商業目的で広告のモデルの体をデジタル加工した場合、手を加えた旨を表示の義務も一連の法案の中に含まれる。


この法案は不健康に減量を強いられるモデルを守るほか、フランス国内に約4万人の患者がいる「拒食症」を防ぐのが狙い。
その4万人のうち90%が12〜20歳の女の子たちだそう。
わたしたちは街中を飾る看板や手にする雑誌でモデルを目にする。そしてそのスリムで美しい体が理想なのだと知らないうちに頭に植え付けられる。
あこがれの体型に近づくためにと、過度に食事の制限を制限して、少女たちの成長期の発育に重大な影響を及ぼしていると問題視しており、規制を設けて改善を促すのがこの法案の狙いである。


今後モデルとして活動するには医師により個人の身長に基づき、体重が適切であると診断を受ける必要があり、基準は体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数ボディマス指数(BMI指数)によって設定される。モデルには肥満度を示す指数「BMI」(フランスでは”IMC”と呼ばれるもの)が、18以上であることが求められる。これは約170センチの女性は少なくとも約54.5キロなくてはならないとされるもの。

※BMIとは、身長・体重から肥満度をチェックできる公式。
[体重kg÷(身長m×身長m)]でBMI求めることができる。


ファッション業界からは、「ほかの国のモデルとの競争に負ける」と反発の声も上がっているというが、問題なのはモデルの体格指数(BMI)ではなく、一部のファッションブランドが栄養不良のモデルばかりを起用することだという指摘もある。


昔フランス人の友人から聞いた、フランスのとある有名ブランドの入り口にある「重いドア」の話を思い出した。
「入り口の重いドアを自力で開けたモデルが採用されることはない。それは力があり過ぎることを意味するから」




今日はここまで。
A bientôt!


2016/03/04

フランスのコーヒー

新しいアパルトマンに引っ越しをした時、ちょうどフランスはセールの時期で、偶然以前から欲しかったものが安くなっていたので、ふたりで自分たちへの引っ越し祝いとして小さなエスプレッソマシンを買った。
それからというもの、朝はガツンと濃いエスプレッソでCyrilを起こし、昼食後はアーモンドミルクでノワゼットを作って、夕食後はデザートと一緒にデカを楽しむのが最近の小さな楽しみになっている。



もちろん人にもよるが、フランス人はカフェをよく飲む。朝起きてからも、もちろんカフェでも、レストランでの食後にも、家でも。
反対に、イギリスと違い紅茶文化は薄く、カフェはレストランで紅茶を注文するとティーバッグが出てくる。値段は普通に高いのでわたしは外では紅茶は飲まないw

さて、フランスでいうカフェはエスプレッソのこと。昔初めてフランスで暮らした時カフェを飲んで、それまで日本ではコーヒー嫌いだったわたしは、「コーヒーってものはこんなに美味しかったんだ!」と目からウロコだった。(とはいえ、イタリアのカフェのほうが断然美味しいのは否めない。)

フランスのコーヒーは濃い味が基本。ちなみに薄くてまずいコーヒーのことを”Jus de chaussettes”(ジュ・ド・ショセット)「靴下の汁」と、なんともすごい表現がある。


反対に日本の”ブレンド”や”アメリカン”が好きな人にはかなり濃くて刺激的。じゃあ、フランスでは日本のコーヒー的なものは飲めないのかというと、そういうわけでもない。
”café allongé”(カフェ・アロンジェ)というのがそれにあたるもの。


というわけで、フランスのカフェやレストランでおいてあるコーヒーの種類を紹介♪
※”Un”(アン)、”Une”(ウュンヌ)は数字の1を表すので、そのまま注文で使えるように付けて表記しています。

Un café(アン カフェ)=「エスプレッソひとつ」
まずはこれが基本。エスプレッソのこと。”Un espresso”(アン エスプレッソ)と言っても通じる。
意外かもしれないが、エスプレッソはコーヒーの中で一番カフェインが少ない。

Un double café(アン ダブル カフェ)=「エスプレッソ2杯分をひとつ」
エスプレッソ一杯じゃ刺激(もしくは量)が足りないという方は、ダブルを。

Un café allongé(アン カフェ・アロンジェ)=「アメリカンコーヒーひとつ」
お店によっては ”café long”(カフェ ロン)とか”café american”(カフェ アメリカン)と呼ぶこともある。わたしはまだ頼んだことがないので味を知らないが、アメリカンとといっても日本のものと比べるとやっぱり少々濃いめのよう。

Un café serré(アン カフェ・セレ)=「濃いめのエスプレッソひとつ」
上記のcafé allongéの逆で、エスプレッソ一杯分のコーヒーの粉で、普通のエスプレッソより少ない水分で抽出する。イタリアで飲むカフェに近いぐっとくる濃さ。

Une noisette(ウュンヌ ノアゼット)=ミルク入りエスプレッソ
小さいエスプレッソのカップで、エスプレッソに温めたミルク極少々と、ミルクの泡を少し注いだもの。
エスプレッソの香りはそのまま、少しミルクが加わるだけでマイルドになる。エスプレッソは少し刺激が強すぎるという方にはおすすめ。

Un cappuchiono(アン カプチーノ)=カプチーノ
知ってのとおりこれはイタリア語から来ている。エスプレッソを約¼に泡立てたミルクを¾。ノワゼットよりもミルクの量が多い。個人的には上記のノワゼットと、下記のカフェ・クレームの間の濃さ、と認識している。

Un café crème(アン カフェ・クレーム)=「カフェオレひとつ」
一般的にはカフェ・クレームと呼ぶことが多いが、Un café au lait(アン カフェオレ)でもOK。
フランスでは大きめのカップ、もしくはボウルに、カフェ・アロンジェに熱々のミルクを半分半分に注いだもの。カプチーノとの違うところはエスプレッソではないところ。

Un café décaféiné(カフェ・デカフェイネ)=「ノンカフェインコーヒーひとつ」
通称un deca(デカ)。大体どこのカフェでも用意されている。



そして、少しずつであるが、ベジタリアン特にヴィーガン向けのカフェも多くなっている。
そんなカフェでは、牛乳ではなく、豆乳やアーモンドミルクで対応してくれる。

とはいえ、エスプレッソマシンのおかげで、最近はカフェに行くよりもコーヒーはもっぱら家で飲むことが多くなり、なんだか出不精になっている・・・w


今日はここまで。
A bientôt!


2016/03/02

母からの写真

今年も出したよ〜、と母から雛人形の写真が送られてきた。
うちの家系は女子率が高く、熟した女子も多いがヤングな女子も多いのでw、この時期になると毎年祖母と母が雛人形を飾る。
母の嫁入り道具で、わたしが生まれた時から毎年飾っているのでかれこれ30年以上になる。だけど、名称と役目を知っているのはお内裏様とお雛様、それから三人官女、五人囃子ぐらい。恥ずかしながら、そのほかの人たちはうやむやだったw


そっか...、もし子供ができたらこういう日本の風習や文化を子供に伝えるのは、わたしの責任なんだなあ、なんて写真を見て思った。日本語を教えるのもわたしの役目だ。日本のマナーだってわたしが教えることになるんだろう。
わ!責任重大だ!なんて、なんかちまよってしまい、家にある材料で雛人形に見立てて飾ってみた。

即、撤去

最近思うことは、国というものはいつまでも必ずあるものではないのだということ。
フランスに暮らし初めて、日本で住んでいた時とは違う感覚を肌で感じフランスという国を認識するのと同時に、改めて外から日本という国を見て、そう感じるようになった。

例えば国ひとつをなくそうとすれば、その国の文化を破壊すればいいと聞いた。そして、その国の言語を破壊する。結婚の意味をなくし、家族の力を弱くする。それからその国の人々が倫理ではなく、感情で動くようにすればいいらしい。もちろんこれだけじゃないけれど、そんな風にしていくと、国は徐々に力をなくし、そのうち...消えてなくなってしまうのかもしれない。

守るべきものはなんだろう。母からの写真を見てそんなことを改めて考えた。



今日はここまで。
A bientôt!

2016/02/26

言い訳の美学

フランス人は謝らないと何度か日本で耳にしていたけれど、まったく謝らないということはない。個人的には、日本人が想像しているよりも謝ると思う。ただし、やたらめったら謝りはしないので、期待している時に謝ってくれない、はおおいにある。
そして...謝るにしても謝らないにしても必ずついてくるのが、「言い訳」。
(どちらかというと、”謝るかわりに言い訳”が多いw)

フランスのエスプリとはと聞かれるとすれば、謝らないことではなく、その言い訳にあるのでは、なんて思う。なぜかって...それはほとんど筋が通っていないから(笑)
わたしは少しずつ言い訳の達人になるべく、日々学んでいる。


例えば、
遅刻をした時に、”J'ai pas vu l'heure !”(ジェ パ ヴュ ルーr)「時間見てなかった!」
思わず「え?だから?」とツッコミたくなる。

人のものを落としたり壊したりした時、”Pourquoi il est là ?”(プッコワ イレラ?)「なんでこんなことろに置いてあるんだ!」と、それはもはや言い訳ではなく開き直り。


そして、日常茶飯事よく耳にするフレーズに、
「J'ai pas fait exprès.(ジェ パ フェ エクスプレ)「わざとやったんじゃない」

おそらくフランス人の中では「わざと」というのものが最大の悪なのだろう、それはもうみんなよく言っている。
「わざとやったんじゃない」
↓だから
「仕方がない」
↓イコール
「自分は悪くない」
という流れ。

これはイメージ画像ですw

遅刻したり、または何かしでかしておいて、
”C'est pas grave !”(セ パ グラーヴ)「大したことじゃないよ」

ということも少なくない。こっちの台詞ですけど!と言いたくなるけれど、そうやって「別にたいしたことじゃないよ」といつのまにかこちらがなだめられたりするのだ(笑)


でもそういえば...思ってみれば...
「わざとじゃない」も、「大したことじゃない」も、なんだかんだわたしも結構使ってる...w



今日はここまで。
A bientôt!


2016/02/23

思わず苦笑してしまう

日本ではたくさんのフランス語を目にすることができる。
レストランやカフェの名前、雑貨屋さんの看板、雑誌の名前。でも...実はけっこう文法的に間違っていたり、意味が不明になってしまっているものが多い。
フランス人の間でもそれはちょっとした話題なようで、そういった日本におけるフランス語の誤用を”Franponais”(フランポネ)という。
今回改めて調べてみると、それについてのWikipediaまであったのでびっくりw 

”comme ça”(コムサ)はフランス語で「なんとなく」とか、「こんな風に」という時に単体で使う表現。”mode”(モード)は「ファッション」という名詞(女性名詞なのでduはおかしい)で、comme ça du modeに無理やり意味をつけるとすれば、「なんとなくこんな風なファッション」というような感じ。フランス人としては、コンセプトのない曖昧なファッションのような名前に思えてしまうらしい。

cocue:配偶者(or恋人)を寝取られた女の人

とか言っているわたしも、フランス語を学び始めた頃にフランス語でつけた主催のイベントや教室の名前は、実は文法的に間違っている。そういうのにいつもうるさい(というか、仕事柄仕方がないけれど)Cyrilはそれらの間違いにはわたしが気づくまで指摘してくれなかったので、なんで先に言ってくれないんだと言ったら、「え?あ、まあ変だなとは思ってたけど、Ayamiが決めたんだしこだわりがあるのかなと思って、しかも日本だから別にいいのかなと思って。」なんて言われたことがある。
分かってから数ヶ月も経っていたので今さらだと思い、そのままにしていた(終わったので自白しますw) 

これは「マーガリンホテル」という意味になってしまう

そんな自分の過去は棚に上げて、一番笑ってしまったのがこれ↓


フランス語の”A bientôt”は「またね」という時に使う表現で、アビエントヘアーというのは「またねヘア」?
もうまったく意味がわからないし(笑)、しかも名前が”Oeuf”(ウフ)これは「卵」。
フランス語で考えてしまうと、どうしても”卵みたいなヘアカットになる店”というイメージがすぐに浮かんでしまう!

じゃあフランスはどうなのかというと、日本でのフランス語に比べて日本語をフランスで目にすることは少ないけれど、それでもやっぱり日本語の誤用はたくさんある。パリで、マルシェに立つVin chaud(ヴァン・ショー)「ホットワイン」の出店の看板を見た時は笑ってしまった。


ところで、よく利用する有機食材の店がある。そこはフランス全国に支店がたくさんあって毎月何かのフェアをしているのだけど、今月はアジアフェアをしている。





この間そのフェア紹介のフリーマガジンの表紙を見てびっくり。
「”東” これは日本では”アジア”という文字です。」って書かれてある。
おそらくFar eastのイメージで間違えたのかもしれないけれど、それはなんでも意訳し過ぎだろう!とつっこんだ。



というわけで、まだ勉強不足の言語を何かで使用する時は、ネイティヴの人に確かめた方がいいな、と改めて思いましたw

今日はここまで。
A bientôt!