2015/01/13

シャルリー・エブド事件

Bonjour à tous!

すでにテレビや新聞などで報じられていますが、
1月7日午前11時半頃、パリ11区(métro 5 番線・Richard Lenoir 駅)にある新聞社、
”Charlie Hebdo”(シャルリー・エブド)がテロリストによって襲撃され、2名の警察官を含む合計12名が犠牲となりました。

”Charlie Hebdo”(シャルリー・エブド)は、日本にはとうてい存在しえないような、左派政治的風刺画が特徴の週刊誌です。
その風刺の仕方は私たち日本人からするとちょっとやり過ぎじゃないの?という印象を受けることもあるけれど、フランスでは人気の高い雑誌です。
その風刺については、何もイスラム教だけに限ったことではなく、イスラム教、というよりも
イスラム原理主義など、行き過ぎてしまったものに対する風刺を中心としていました。
イスラムだけでなく、キリスト教に対しても風刺があり、シャルリー氏の生前のインタヴューでは「マルクスを批評するのと同じように、宗教家だって批評されてもいいではないか」とシャルリー氏は語っていたそうです。

事件のあった翌日8日は、正午にノートルダム大聖堂の鐘が鳴り、12人の犠牲者を偲んで、フランス全土で1分間の黙祷が行われました。

この事件に関して、オーランド大統領はテロと断定しました。
しかしながら、この事件には、さまざまな見解、論点があります。
フランスの歴史、宗教、政治、民族、他国との関わりなど多種に様々な問題が絡まり合っているので、ひとことで誰が被害者で誰が加害者だと決めつけ、片付けられる問題ではありません。すべてを知るには大きな覚悟が必要です。

1月9日、フランスのイスラム教協会は、フランス全国のモスクに暴力とテロリストの糾弾を表すよう通達しました。世界中のイスラム教徒からは、イスラム教とテロリストを同類扱いしないでほしいと声が上がっています。現在、フランスの全人口の約10%が イスラム教徒といわれており、人口は年々増え続けています。
わたしのフランスの友人にもイスラム教徒がいます。
どうか一部の偏見や無知などで危険にさらされないようにと祈るばかりです。

事件当日、夕方近くになり、FacebookなどのSNS上には、
プロフィール写真に「Je suis Charlie(私はシャルリー)」と書く人が多く出始めました。
これは、言論・表現の自由に対するテロ行為には屈さない、私たちはシャルリーエブドを支える、
と言った意味や、12名の犠牲者に対する追悼の意味が込められています。
「言論・表現の自由」は、批判好き、討論好きのフランス人にとってとても大切なことです。

夜になり、次第に”Place de la République”(レパブュリック広場)に大勢の人が集まり始めました。
この”Place de la République”はデモやマニフェスタシオンなどの際に人が集まる場所としても有名です。あまりの人数に地下鉄のRépublique(レパブュリック)駅が封鎖され、この駅に乗り入れるすべての路線がこの駅を通過したそうです。



そして1月11日の午後、”Place de la République”で開かれた歴史的な反テロ集会に大勢の群衆が押し寄せました。フランス全土でデモに参加した人数を合わせると、その数は約370万人を超えたと報じられています。フランス政府によると、フランス史上最大規模の抗議活動となったとのことです。


この事件にはさまざまな論点があると思いますが、大切なことは、
混乱のさなかであっても、さまざまな情報に惑わされず、物事を客観視できる確かな意識と知恵を持って、選択するということではないかと感じました。

犠牲者の方々に深い哀悼の意を表します。


それでは今日はここまで。
A bientôt!


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