2015/01/20

クラシックを身近に

Bonjour à tous!

フランスで毎年1月下旬から2月の初めにかけて行われる素敵なイベントを紹介します。

パリから南西約400km、人口29万人の地方都市・ナントで行われるフランス最大級のクラシック音楽の祭典、”La Folle Journée”(ラ フォル ジュルネ)
日本語に訳すと、「熱狂の日」となりますが、朝早くから夜遅くまで1日中、クラシック音楽を楽しむ(=熱狂する)ことができる祭典です。


この音楽祭は1995年にナントで始まり、創設者である”Rene Martin”ルネ・マルタンが芸術監督を務めます。
毎年1月下旬から2月上旬頃にかけての5日間、会場となるナント国際会議場(シテ・デ・コングレ)の8つのホールで朝9時から夜11時までの間、コンサートが数多く、一斉に開催されます。
年ごとに音楽祭のテーマやジャンルが指定され、世界中から一流のアーティストを迎えて行われます。「一流の演奏を低料金で提供することによって、クラシック音楽を支える新しい聴衆を開拓したい」というルネ・マルタンの思いから、それぞれのコンサート1回の入場料は5~22ユーロと低めに設定されました。そして、「初めてクラシックを聴く人にふつうのコンサートは長すぎる」と、約45分間というクラシック音楽にしては短いいくつものホールで一日中たくさん催し、クラシック初心者でも気軽に音楽祭を楽しめるようになっています。
周辺の公共交通機関もチケット購入者向けのシャトル便を出したり、割安な鉄道回数券を発売をしています。

芸術監督 ”Rene Martin”ルネ・マルタン

1995年当時、180人の演奏者による35公演で観客動員数が2万5000人だったのに対し、その後は予想以上の発展を遂げ、翌年からはコンサート数と入場者数はうなぎ登りに増え、2006年には1800人の演奏者を迎えて250公演が催され、11万2000人の観客を呼び込むまでになりました。大第1回目には2日間の開催だったのが、2000年には3日間に、2003年には5日間になり、今年2015年は1月22日~2月1日までの6日間で開催されます。

毎年、テーマが決められており、第1回目のモーツァルトに始まり、5年目からは有名古典作曲家にこだわらず、テーマ広げていきました。

1995年から1999年までのポスター

2013年のテーマは”パリ、至福の時”:19世紀後半から現代まで
パリを彩ったフランス、スペインの作曲家たち。

”La Folle Journée”「ラ フォル ジュルネ」の名前の由来は、フランスの戯曲「フィガロの結婚」の正式名称である”La Folle journée, ou le Mariage de Figaro”『狂おしき一日、あるいはフィガロの結婚』に因んでいます。芸術監督のルネ・マルタンは、1784年に発表されたこの戯曲が当時の世間にとって革命的な作品であったことから、従来のクラシック・コンサートに対する人々の価値観を転換することを目標とするこの音楽祭の名に採用したといいます。
また、戯曲をもとにモーツァルトによってオペラ化された「フィガロの結婚」は、最初のラ・フォル・ジュルネ音楽祭のプログラムでも取り上げられました。

ルネ・マルタンはインタビューの中で「すべての人が情熱的なファンにはならないでしょうが、音楽とはすばらしいものだ、生きていくのに必要なものなのだという感動が生まれるかもしれません。」と語っています。
ナント市のこの祭典に赴く人の4割はそれまでクラシックコンサートに行ったことのなかった人で、若者の聴衆は2割強にいたるといいます。

今年のテーマは”魂と心の激情”


”La Folle Journée”公式HP

それでは今日はここまで♪
A bientôt!


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