最近、そのゆわれの理由のひとつに気づいた。
フランス人は、道ばたで、店で、「通りがかりの知らない人に話しかける」
ということに対して躊躇しないのだ。もちろん人にもよるけれど。
まず、もちろん、道を聞くことは当たり前。
これを躊躇するなんて、フランス人にとっては本当におかしなこと。
よほどの恥ずかしがり屋さんだと思うだろう。
そして、例えば何かのお店で会計の列に並んでいる。
その前の人の籠の中に入っているものが気になるとする。
「すみません、それ、美味しいですか?
買おうとかどうか迷ったんですけど、まだ試したことがないから。」
そこから会話が始まり、会計が済むまでずっと話が止まらない。とか。
タバコを吸う人なら、ぜったい1回は聞かれたことがあるだろうけれど、
「すみません、火を貸してもらえますか?」
これはナンパの時の話しかけるきっかけにもよく使われるそう。
ちなみにわたしは「すみません、ティシュを持っていますか?」と
若い綺麗な女の子に話かけられたこともある。
渡してあげると、その子はすぐさま隣で鼻をブーっとかんだ。ナンパではなかった。
コインランドリーで。ひとりのマダムが機械の使い方がいまいち
よくわかならい様子で、何かひとりでブツブツ言っている。
すると、隣に座っていた別のマダムが、そのひとり言に反応し、話かける。
そこから洗濯が終わるまで話が止まらない。とか。
TGV(新幹線みたいなもの)で、列車が駅を出発した瞬間、車内に居たムッシュが、
寝ていたのかイヤホンをしていたのか、とりあえず駅を乗り過ごした可能性があり、
おもむろに「すみません、今どこですか?」と大きな声で車内の人に聞く。
みんな口々に、「トゥーロン」と答えてあげている。Cyrilもすぐに答えていた(笑)
服屋の店員に、「このへんで美味しいショコラティエ知りませんか?」と
おもむろに尋ねる。これはCyrilがこの間したこと。
そう。Cyrilもれっきとしたフランス人なのだ。
店員とお喋りし、このへんで美味しいパン屋さん知っていますか?とかすぐ聞いている。
パッと思いついたら尋ねているので、わたしは「え?!急に誰と話してんの?知り合い?!」とびっくりさせられることも少なくない。
突然通りすがりの人に日本人ですかと尋ねられる。そうだと答えると、
日本が好きでこの間東京と福岡に行っていたんです、と話が始まる。
20分くらいだろうか、わたしはそのムッシュと話していた。マンガ好きのオタクでも、ナンパでもなく、ただの日本好きの人。
そう、こんな風に、思いついたらすぐ人に話かけることに躊躇しない人たち。」
しかも、突然話しかけられることにも慣れているので、 会話が始まりやすい。
この点は、日本人とフランス人との、大きく違うところではないかと思う。
そんなことが日常茶飯事なら、そりぁ、出会いの数もきっかけもたくさんあるだろうなと、フランスがアムール(愛)の国と言われていることにも納得するのだ。
今日はここまで。
A bientôt!
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