2015/08/28

ハラハラ長距離移動②

(前回のハラハラ長距離移動①の続き)

「しまった。お母さんの家の鍵を持ってきてしまった!」
「Quoi!?(クワッ!?)何て!?」

家の前でお母さんが中に入れず、Cyrilの携帯に連絡をしてきたのだ。
彼は、とにかくこの鍵をお母さんに渡さなければならないという。
まだ列車は出発してないので、次の列車に変更できるかどうか駅員に聞いてくるといい、携帯だけを持って車両の外に出た。


待つこと5分。車内にアナウンスが流れる。
「まもなく列車が出発します。」
思わず座席から立ち上がる。Cyrilの財布が入ったリュックも、大きなスーツケースも、彼の脱いだパーカーも全部ここ、車内にある。このまま出発したら、彼は駅で一文無しでとり残される。ヤバい!急いで出ないと!
わたしは残されたすべての荷物を集め、扉に向かって走り始めたその瞬間、列車の扉が閉まった。
ぼう然と立ち尽くすわたしの耳に、一部始終を見ている車両の中の周りの人々が「あの子、とり残されたわ!彼氏は外にいるのよ!」と口々に言っているのが聞こえる。

列車がゆっくりと走り始めた瞬間、Cyrilが別の車両から戻ってきた。
その姿を見るなり、わたしが言葉を発するより早く、周りの人たちの安堵の声が一斉に響いた(笑)
”Quelle émotion...!”(ケレモーション)「なんていう興奮なんだろう...!」とわたしが声を漏らすと、周りが口々に”Oui...!”なんて言っている。


Cyril 曰く、プラットフォームで、横柄な態度の駅員はこちらの話に耳を傾けることもなく無視し、やり取りを続けようとしているうちに「あなたこの列車の人?急がないと!出発するよ!」と言われ、驚いて急いで車両に向けて走り、飛び乗った瞬間扉が閉まったらしい。出発のアナウンスはプラットホームには流れなかったので、きっと出発に気づかずに乗れなかった人もいるだろうとのこと。

結局、列車は1時間遅れ。もともと土砂崩れで20分の遅れが生じ、その後、なんとコントロールと呼ばれる駅員(無賃乗車がないかなど切符をチェックする人)が列車に乗り遅れたことが、遅れの原因だったとのこと!

 
そうです。フランスという国は、こういうことが...
わりと頻繁に起こるのです(笑)

ちなみに、鍵はというと、合鍵を持つCyrilのお姉さんが鍵をお母さんに届け、一件落着したのでした。

今日はここまで。
A bientôt!



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